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2017-03-10 19:39

日本学術会議は「ミサイル防衛」にも反対するのか

加藤 成一  元弁護士
 北朝鮮は、3月6日射程1000キロの弾道ミサイル4発を、日本海に向けて同時に発射した。そのうちの3発は、日本の排他的経済水域に着弾した。北朝鮮が、今回の弾道ミサイル発射を、在日米軍基地攻撃のための訓練であると公言したこと、4発同時に発射させたことは、日本の「ミサイル防衛」の有効性を含め、日本の平和と安全並びに日本国民の生命の確保にとって極めて深刻な脅威であると言えよう。

 とりわけ、弾道ミサイル4発の同時発射は、これまでにはなかったことであり、弾道ミサイル技術の向上を示すものであろう。近い将来、数十発、数百発の同時発射や連続発射、弾道ミサイルへの水爆などの核弾頭搭載も懸念される。その場合、現在の日本の「ミサイル防衛」で有効に対処できるのであろうか。現在は、高度約600キロで迎撃する海上配備型イージス艦と、高度約15キロで迎撃する地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」の2段構えであるが、高度約150キロで迎撃するTHAAD(高高度防衛ミサイル)の導入による3段構えのミサイル防衛システムが日本政府で検討されている。

 アメリカでは、ミサイル防衛に役立つ有効な兵器として、「高出力レーザー兵器」や「電磁パルス兵器」「レールガン(電磁加速砲)」などの、いわゆる「指向性エネルギー兵器」が研究開発され、一部はすでに実用化されている。これらは、レーザー光線や電磁波などのエネルギーを、弾道ミサイル弾頭などの一点に集中照射して破壊するものであり、数十発、数百発の弾道ミサイル同時発射や連続発射に対しても、有効に対処できる可能性を秘めた兵器であるとされている。日本も、「ミサイル防衛」の強化のために、アメリカと連携してこれらの「指向性エネルギー兵器」の技術開発を進め、さらに、日本の高度な科学技術力を生かし、日本独自の研究開発を進めるべきであろう。

 日本の「ミサイル防衛」の拡大強化には、一部の野党を除き日本国民の大多数は賛成であろう。しかし、最近、日本の科学者の代表機関である日本学術会議は、これまで通り、旧態依然の「軍事研究禁止」の方針を継承することを決定した。日本学術会議は、自衛のための「ミサイル防衛」を強化する研究開発にも、「軍事研究禁止」を名目にして、一切反対するのであろうか。
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