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2016-08-22 13:27

重要度を増す日本と台湾の関係

鈴木 馨祐  衆議院議員(自由民主党)
 自民党青年局の台湾訪問団の団長として台湾に向かいます。正式な国交がない台湾との関係は伝統的に自民党では青年局が担うこととなっており、私もその関係で今年5月の総統就任式にも自民党・青年局の代表として出席させていただいたところです。今回も台湾側の多くの要人や若手政治家との会談を行う予定です。8月23日には蔡総統との会談も予定されているところですが、台湾は地政学的に日本にとって最重要の国の一つといっても過言ではありません。そして震災における支援を見ても、日本が真に緊密な関係を国民レベルで持つことができる数少ない東アジアの国の一つでもあります。

 東アジアの厳しい国際環境の中で、平和裏に何度も政権交代が選挙で行われる民主主義国家であり、また自由な社会でもある台湾が日本の隣人であることの意味は極めて大きいものがあります。特にアメリカの大統領選を見ていても、アメリカ国民の間にアメリカの対外的積極的関与への支持が弱まっている現実は無視できません。このことは必ずアメリカのアジア政策、外交政策に大きな影響をじわじわと与えることなろうと思われます。

 加えて中国・北朝鮮という共産主義独裁国家が日本を仮想敵国として着々と軍拡路線を歩んでいる現状があります。ロシアについても、ウクライナでの軍事行動をみれば明らかですが、本質的には力による現状変更を肯定する国といわざるを得ません。わが国の安心安全という観点からも、さらにはアジアにおける法の支配、自由、人権、民主主義などの基本的な価値を共有した地域の安定の確立という観点からも、台湾との関係を強化し、各レベルでの信頼関係のさらなる強化は必須です。特に中国は、A2ADなど長期的にアジアにおけるアメリカの軍事的な影響力を排除しようという戦略目標を持って動いている可能性が高いわけですが、その観点から当面の目標は潜水艦の太平洋へのアクセスです。

 海南島に潜水艦の大規模な基地がある状況を考えれば、台湾がその意味で日米さらには豪州との連携において果たす地政学的役割は極めて大きいものがあります。これは私が出席している毎年台北で開催されている日米台安全保障フォーラムにおいても提起させていただいたポイントですが、その意味で様々な情報共有などを進めていくことも極めて重要です。さらに、先の国会で私も与党理事として安倍総理と台湾のTPP加入についてやりとりさせていただきましたが、経済連携も地政学的な要素をはらみます。今後の日本と台湾の関係を総合的戦略的に、日本台湾の若手政治家同士の議論を通じても考えていきたいと思います。
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