国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百家争鳴」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2016-07-28 11:43

民間主導の経済成長実現のために

鈴木 馨祐  衆議院議員(自由民主党)
 参議院選挙も終わり、党本部では経済対策に関する会議が開かれるなど、今後の経済政策などの議論が本格化しています。そんな中、先週、アメリカの東海岸に出張し、投資家やヒラリー・クリントン陣営の政策チーム等と意見交換してきましたが、今後、経済においても外交においても、様々な不透明要素がある中で、安倍政権の政策をしっかりと前に進めていくことが求められます。これまで安倍政権発足から3年半、経済においては、金融緩和、財政刺激策を打ちながら、法人税減税、TPP、コーポレートガバナンス改革、規制緩和と様々な政策を打ち出し続けてきました。結果として、企業収益や雇用情勢、あるいは株価などについては従来の流れを大きく改善することができたとの評価もされています。

 しかし、一方で、企業の設備投資や賃金上昇を受けた個人消費の伸びなどがみられているかといえば、そのような兆しは一部に限られていて、このような民間主導の景気循環を十分に作り出せていないことが、多くの国民の皆さんが肌感覚としての景気回復を感じられていない大きな要因だと思われます。今後の経済政策の主眼は、この点をどう変えていくことができるかに尽きます。少子化・高齢化が進む中で、どのようにして労働力、資本、生産性といった要素をテコ入れして潜在成長力を高めていくことができるか、そのためには適切なリスクをとるというマインドがそれなりに広く拡がることが極めて重要です。もちろんリスクを取りやすい環境、再チャレンジができる、ある程度雇用市場もフレキシブルになるといった環境整備を進めていかねばなりません。

 また日本において消費が落ち込んでいる理由の一つに、従来の耐久財への消費が落ちていることが挙げられます。新たな消費を生み出すためには、今の人々が欲しいと思うものを商品化しマーケットにするビジネスが必要です。歴史的にも国際的にも、そのような変化は大抵ベンチャーなどの新規参入者が担うことが多い。実は日本はこうした企業の新規参入、新陳代謝が非常に低調です。こうした硬直し変化に対応できていない経済構造を変化させるような、そうした変化を促すような法体系への転換も重要です。

 今我が国に求められるのは、こうした、OPEN、INNOVATIVE、MARKET ORIENTED、FREEへの転換、すなわち頑張る人が真に報われる社会を作り、そして一部の既得権者だけが利益を得る閉鎖された経済を変えることに他なりません。これまで3年半と同じ道を辿っても同じ結果になるわけで、こうした構造改革をしっかりと進めるために、その時間を作り出すために、第一の矢と第二の矢である金融政策と財政政策を実行する。今一度その原点に立ち返ることが必要なのではないかと思われます。ともすると旧来型の予算に向かいがちな経済対策・補正予算の議論ですが、しっかりと効果的な時宜を得た経済対策となるよう頑張ってまいります。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百家争鳴』から他のe-論壇『百花斉放』または『議論百出』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会