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2016-05-24 15:13

台湾新総統就任式典に出席して

鈴木 馨祐  衆議院議員(自由民主党)
 20日に台北で行われた蔡英文新総統の就任式典に、自民党を代表し日本代表団の一員として出席しました。伝統的に自民党においては青年局が台湾との正式な窓口となっていて、私はその青年局長代理を務めていますので、国会開会中ではありましたが、小倉青年局国際部長とともに党務として出張しました。台湾においては李登輝総統時代に直接選挙による総統選が始まり、それ以降、民進党の陳水扁総統、国民党の馬英九総統、そして現在の民進党の蔡英文総統と3回目の政権交代がなされています。

 何といっても、民主主義のもとで平和裏に政権交代が行われているということは、社会の成熟でもあり、今回の総統就任式典においても、新旧の総統が揃って祝賀に駆け付けた市民の前に顔を出すなど、国全体として民主主義という価値を極めて重視していることが感じられたところです。それは、中国共産党が支配する大陸とのもっとも大きな違いの一つでもあります。そして就任スピーチの中でも強調されていたのが、自由や人権、民主主義といった価値を共有するアメリカ、日本、欧州と連携を深めていくということでした。TPPであったり、東シナ海、南シナ海をはじめとする西太平洋・東アジア地域の安全保障への関与であったり、台湾に期待される役割は極めて大きいといえます。

 アメリカの大統領選の今後の行方、中国の国内の情勢、北朝鮮情勢、フィリピンの動向、オーストラリアの選挙、イギリスのEU離脱問題など、国際政治の安定という観点からの懸念材料も散見される中で、日本と地理的にも隣接する台湾において、価値と戦略的な方向性を共有する新政権が誕生したことは極めて重要です。日本としても、様々なレベル、分野での関係強化を従来にも増して進めていくことが重要です。

 余談になりますが、今回の訪台においては、新外交部長(外務大臣)や民進党幹事長、長期にわたり議会トップを務めた王金平立法院長、新たに駐日代表となる元行政院長(首相)の謝長廷氏をはじめとした台湾要人との会食、意見交換の機会もあり、また蔡英文新総統との会見も就任式直後にセットされるなど、台湾側の対日関係重視の姿勢がかなり色濃く感じられたところでもあります。価値と利益(interest)を共有する、そして何よりも両国の国民感情が極めて親密な日台の連益強化に向けて、私も次世代の政治家としてしっかりと努力してまいります。
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