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2014-05-15 12:55

大きかったオバマ大統領訪日の成果

鈴木 馨祐  衆議院議員
 4月23日から25日にかけて、アメリカのオバマ大統領が国賓として来日されました。さまざまな評価がされているようですが、敢えてアラを探すような斜めからの見方をせず、客観的に大局的に見れば、私は個人的には今回の訪日は極めて大きな意義があったものと考えています。今の日米関係の中で最も大事なのは、中国が軍事的に急速に台頭し、アジアからアメリカの影響力を排除し覇権を目指そうとする中で、アメリカの軍事的、政治的なアジア地域への強いコミットメントを確認し、さらに軍事的な具体的なプレゼンスが強化されるような環境を作ることです。

 もちろん、TPPをはじめとして、同盟国といえども厳しい交渉が必要なものも平時の経済活動の中ではたくさんあります。英米でもそうですし、歴史的なルーツを共有しているわけでもない日米においてはなおさらです。しかし、今の国際政治環境の中でもっとも重要なことは何かと言えば、財政問題を抱え、国内においても孤立主義的な世論が高まっているアメリカが、特にシリアやクリミアでアメリカの「強さ」に疑問を持たれている状況下だからこそ、中国という国際社会への最大の脅威が存在している東アジアに対して強い関与を明確にすること、これを置いて他ありません。

 その意味で、尖閣に関して日米同盟の適用対象となる、力による変更を認めない、こうしたことをオバマ大統領がメディアの前で明言し、共同声明に明記されたことは極めて大きな成果です。中国の反発もある意味それを裏付けています。日本、韓国、マレーシア、フィリピンを訪問し、その最初に日本に二泊の日程で滞在した。さらにはTPPの問題と安全保障を明確に切り離し尖閣防衛義務を明確にしたことは、国際政治的にも日本の国益という意味でも大きな成果ですし、アメリカの意思を確認できたという意味で予想以上のものだったと思われます。

 日本の政治としても、今後さらに、構造改革・経済成長を進めることで国際社会の中での日本のプレゼンスを高めること、日米同盟を強化・深化させ、中国や北朝鮮といった安全保障上の脅威に対抗できるような環境づくりをすること、この二点が極めて重要と思われます。この大局的な流れを見誤らないよう、政権与党の一政治家として今後とも全力で頑張って参ります。
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