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2014-05-09 14:42

(連載2)EUとの首脳会談では対中武器禁輸の継続が最優先

鈴木 馨祐  衆議院議員
 そして私もEUを以前訪れた際に感じたところですが、冷戦後の状況にある欧州諸国には日本の危機感はなかなか伝わりづらい状況でもあります。唯一常に問題提起をし、それぞれのレベルでリマインドし続けることではじめてこの禁輸措置の継続が可能になります。逆にこちらから「あえて」言及することをしなくなってしまえば、欧州諸国に、対中武器禁輸は日本にとって大きな問題では無くなったのだという誤解を与えかねません。

 この様なギリギリの状況にあるにもかかわらず、今回、それも安全保障がテーマとなっている会議の場で行われた欧州各国との間での首脳会談、先方からはもちろん日本側からもその話は出さなかったという説明が、私の問いかけに対して外務省の担当部局からありました。そして、時間が短かったためにその話はしなかったとも。

 しかし、長短はあっても大体20分から40分程度の会談時間の中で、概要の報告から判断する限り、対中武器禁輸よりも我が国の国益にとって重要な話をしているようには見えず、これは明らかに外務省の危機感、認識が不足している結果としか言いようがありません。

 今自民党の外交部会等の外交関係会議は、首脳会談や外相会談については事後的に報告を受けるだけになってしまっていますが、今回の事例でも明らかなように、国益の観点から日本として世界にすべき主張の優先順位付けが客観的に見て誤っているのではないかと思わせるケースが散見されます。外交が内閣の専権事項であるのは事実ですが、少なくとも、事前に党側からも問題提起できるような体制に改めることが日本の外交力を真に強化し、問題なからしめるためには必要だと思われます。仕組みという意味でもきちんとした外交が出来るような体制に変えられるよう頑張っていきたいと思います。(おわり)
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