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2013-07-19 10:18

日本の金融政策に対する中韓の的外れな批判

鈴木 馨祐  衆議院議員
 中国や韓国が、日本の金融政策を為替誘導として批判するネガティブキャンペーンを欧米メディアに対して展開しています。全く根拠のない批判を、誤った認識と事実誤認をもとに、韓国の財務大臣をはじめとしたかなりの高官が発言を繰り返しています。「嘘であっても100万回繰り返せば本当だと信じ込ませることが出来る」、そんなヒトラーのような手法を試しているのが今の中国や韓国の政府です。事実をねじ曲げるようなこうした手法を自国の利益のみのために行う、まさに品位に欠けた行動であり警戒しておく必要があります。

 外交や政治の判断を下すとき、感情的あるいは情緒的な「けしからん」という気持ちを持ち込むことは現に慎まなくてはなりませんし、私はそのような動きには組しませんが、今回の我が国の政策への批判は明らかな誹謗中傷ですので反論する必要がありますのでここに書かせていただきました。まず第一に、日本の現状は「円安」では決してないという点。相場観から言っても、現状は、数ヶ月前の投機的な動きの結果つくられた異常な円高局面が是正されている過程にすぎません。過去の長期トレンドから見れば、未だに適正な水準に円が戻ったとは到底言えないことは明らかです。

 そして第二に、日本の金融政策の変化を受けて市場参加者の期待・行動が変化し、結果として為替市場にも影響しているのは事実ですが、それはあくまで日本の金融政策という国内の経済政策の変化を受けた市場の自由な動きであり、為替誘導という非難は全くの事実誤認である点です。言うまでもなく、我が国や他の先進国において市場参加者の行動は自由です。市場参加者の行動を予見して市場全体に一切の影響が出ないように、政府が自らの政策を制約せねばならないのであればそれこそ今の市場経済の前提が変わってしまいます。どこの国も金融政策のみならず、あらゆる政策を機動的に打てなくなってしまいます。こんな珍妙な議論はありません。これまで国際社会の共通認識としてあった世界的に非難されるべき禁じ手は、中国や韓国のように市場に直接介入して通貨の動きのトレンドをコントロールすることです。実際、なぜ過去数年間の推移において、人民元や韓国ウォンが日本円と比較したとき、対ドルで異常なまでの安値にとどまってきたのか。政府の為替市場への直接介入が行われた影響が少なからずあったのは明らかです。

 こうした禁じ手を打ち続けている中国や韓国が、自国のエゴのために日本の金融政策の結果の市場参加者の自由な動きを批判することは明らかに的外れであり、無責任かつ根拠のないアジテーション、誹謗中傷と言わざるを得ません。もし日本の今回の金融政策が非難されるとすれば、あらゆる中央銀行の金融緩和が批判の対象となってしまいます。こんなバカな話はない。今後、中国や韓国はしつこくこうした中傷キャンペーンを世界中で繰り広げる可能性が高く、他の国々も嘘を信じ込む可能性もなくはありません。こうした点をふまえ、政府にはきちんと対外的に真実の発信を続けていただきたいと思います。
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