国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百家争鳴」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2013-02-14 17:40

尖閣諸島において日本がすべきこと

鈴木 馨祐  衆議院議員
 尖閣諸島における中国による領海侵犯、領空侵犯が続いています。先日の日米外相会談でアメリカが従来のスタンスよりも大きく踏み込んだことで、焦る中国共産党の攻勢は今後激しさを増す可能性が高いと思われます。しかし、そもそも日本が実効支配し、かつ歴史的にも日本の合法的な領有が明らかな尖閣諸島について、対アメリカの軍事戦略上の要請から強引に領有を主張し始めた中国の行動や意思、経緯を考えれば、日本が尖閣や沖縄を中国に渡し、日本が全面的に中国の属国にならない限りこうした軍事摩擦が終わることはないと考えたほうがいいと思われます。

 むしろ、日本がアメリカとともに早い段階で明確な意思表示をし、対抗措置を講ずることで、中国に日本は無理・横暴がきかない国だということを理解させることが、彼らの軍事行動をエスカレートさせない唯一の方策ともいえます。中国が教科書問題、靖国、尖閣と常に日本を攻撃する口実を探してきたこれまでの経緯を考えれば、尖閣で仮に日本が中国に屈しても、次の言いがかりをつけてくるだけであって、安易に弱腰な姿勢を見せることは全く問題の解決にはつながらないということを我々は肝に銘じねばなりません。

 特にこれからの中国の攻勢は、(1)軍事的な圧力、(2)国際世論へのPR、(3)輸入段階での嫌がらせなど経済界への圧力、という全く異なる三つの局面で同時に進む可能性がかなり高いということを認識しておく必要があります。日本政府としても、(1)実効支配を強め中国に既成事実を作らせない、(2)国際世論に対して、中国が東シナ海で行っていることは南シナ海での行動と同様正統性のないただのごり押しであり、日本の問題ではなく中国があちこちで起こしている摩擦の一つであるということを客観的事実とともに他国と連携してPRする、(3)経済的な圧力に関してはマルチ、バイの両面でアジア地域での法の支配や知的財産権保護といったルール作りを先行して行うことで中国の問題点を国際的に明確化する、等の措置を進めてくことが重要です。
 
 外交は実弾の飛び交わない戦争という側面もあります。外交当局ももちろんですが、政治家も国益を考え、中国の宣伝に利用されないよう言動に細心の注意を払うことが重要です。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百家争鳴』から他のe-論壇『百花斉放』または『議論百出』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会