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2006-08-24 15:59

シンクタンク連合の名に恥じぬ掲示板を期待する

進藤榮一  筑波大学大学院名誉教授
 政策掲示板「百家争鳴」の議論を読みながら、特に最近時、疑問に思うことを以下3点に絞って記します。

 第一に、投稿者が、自分勝手に好き放題に議論できる(といわざるをえない)現在の投稿形態は、本来のCEACの「百家争鳴」にとって望ましいものなのかどうか、という疑問です。少なくとも、いわゆる投稿マニアならぬ投稿者は、最小限、事実関係に裏付けられた議論を展開するマナーと常識を堅持すべきです。その最たる最近例が、四条秀雄氏のいう「2000年頃に、中国の李鵬首相がオーストラリア首相に、『日本は、あと20年で無くなる』といったそうです」(8月9日付け投稿)という類の表現です。氏はどうやら、根っからの反中派、嫌中派のようですが、いったいこの発言は、2000年の何月何日に、どこで言ったのか、新聞、文献、またはブログなどからの引用なら、その引用源を明確にさせなくてはなりません。同様のことは、「富田氏の親族まで中国の工作員候補の『工作対象』になっていた」(8月9日付け投稿)という表現にもいえます。最近時の本欄を読みながら、30年以上も前、大学院でのパルタイ系同僚や活動家たちの無意味で馬鹿げた、どうしようもない反知的な議論を思い出しました。

 第二に、同じ人が、字数制限もなしに繰り返し手を変え品を変え、自分の信条やイデオロギーを吐露する投稿形態に対する疑問です。これは、投稿者側の問題でもあるのですが、同時にCEACの掲示板欄を管理する編集サイドの問題でもありましょう。最小限、朝日新聞でも産経新聞でもいいのですが、一般紙・誌レベルの投稿水準は、CEACの名誉のためにも堅持すべきです。四条氏のいう「中国との政冷経熱を5年間維持[した]から、日本の滅亡は2025年になった」(8月9日付け投稿)という類の表現は、まさに投稿先を間違えた水準レベルとしか、評せざるをえません。

 第三に、そもそもどのメディアであれ組織体であれ、そこには一定の社会的使命なり役割によって、投稿欄のあり方も規定されざるをえないのですが、本欄の場合、CEACの役割と存在そのものをも否定する投稿まで、掲載され闊歩させていることへの疑問です。CEACは、NEATの日本側受入れ代表機関であり、そのシンクタンク連合として、東アジア共同体の理念に共鳴し、その実現をはかるという、大原則があります。その大原則を揶揄したり、根本から否定したりする類の投稿は、本欄で原則掲載されるべきではありません。すべての自由には義務と欣侍をともないます。それなくして、本欄は、投稿マニアの「2ちゃんねる」の変形に堕してしまいましょう。

 近年の靖国問題にしろ歴史認識問題にしろ、どうやら私たちが、情報革命の豊かな果実を十分に享受できず、悪しきブログ・ポピュリズムを瀰漫させ続けた結果でもありましょう。「オール・ジャパン」のシンクタンク連合の名前に恥じない投稿欄として本「百家争鳴」欄が成長していくことを、CEAC有識者議員のひとりとして心から祈念期待したいものです。
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