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2012-01-22 18:04

政策提言「膨張する中国と日本の対応」を読み、考える

中山 太郎  団体非常勤職員
 さる1月20日、日本国際フォーラムから政策提言「膨張する中国と日本の対応」が発表され、同日、伊藤憲一理事長から野田佳彦首相に直接提出された。一読したが、現実政治に明日からでも活用できる極めて実用的な、地に足の着いた素晴らしい提言だと思う。以下に、別の角度から光を当てる形で、この提言にコメントする。

 昨年の米国防総省の年次報告書を日本の立場から読んだ場合、注目された一つのポイントは、イランなどの中東と東アジアの双方で同時に問題が出た場合に、米国は両面作戦を取れない、と読み取れたことだ。日本にとっては、東アジアの同志国などとハード、ソフト両面で協力体制を作り上げ、米国をバックアップしていくことが大切となる。だから、各地域の専門家は、益々研究対象を広げて、多面的な情報を取る必要が出てくる。例えば、中国は、今回の対イラン制裁に真っ向から反対しているが、これは今回の危機を、中国にとっては日本など西側各国の輸入しているイラン原油を買い叩けるチャンスだと見ているからだろう。こうした事態を冷静に分析していく必要があるし、歴史の教訓も重要である。

 過去、米国は対中外交政策で、失敗を重ねてきた。国共内戦時には、米国務省は国民党を切る方向を打ち出した。現代においては、冷戦終了後、米民主党政権は、「自由と民主」を掲げる日本より、中国への肩入れ政策を採用した。クリントン大統領は、同盟国日本をスキップして、共産主義中国に国賓待遇を受けて10日間も滞在した。一方、村山政権時に日本で開催されたAPEC会議には欠席したりした。1980年代、日本側で「日米経済問題」に従事した人たちの痛ましい告白を聞くと、暗澹たる思いがする。

 しかし、この際は、小異を捨てて大局に立ち、日米両国は手を携えて、反「自由・民主」の体制と向き合っていくべきだ。この意味でも、TPP問題は、色々議論はあるが、米国と連携していくべきだ。現米政権は、前の共和党政権が9・11の悪夢を背負った「過剰反応」政策で失敗したと見て、新しい米国外交の意味づけに動いているやに見られる。日本は、過去2千年の日中関係の歴史で得た貴重な知恵のストックを活かし、この米国外交の意味つけに大いに働きかけ、米国が過去の失敗の繰り返さないよう協力していくべきだ。その一方、中国国内で苦闘している「国際社会と融和していくべき」と考えの人たちを、様々な形で支援していく道も考えなければならない。
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