国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百家争鳴」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2006-07-07 11:59

共同体構想は手の届くところから取り組むべし

関 士郎  会社員
「CEACコラム」でジョゼフ・キャロン駐日カナダ大使が2月15日に日本記者クラブ行った講演のテキストを読みました。地域の経済統合は経済目的以外の目的を達成できるかとの問題提起を行い、「アジア太平洋経済共同体は経済発展だけでなく、政治的な絆を強め、安全保障を高めるためにも貢献している」と肯定的な結論を導いておられることに注目しました。

 「異質な諸要因と多くの問題を抱えるアジアで共同体などは夢物語」との見解がありますが、私は経済を中心として可能なところから協調を進め、域内統合の進化をはかるとともに、協調・統合を目指す分野を拡大していくことで、アジアにおける共同体形成も十分現実性を持ち得るとの意見であり、キャロン大使の指摘はそうした漸進的アプローチを肯定するものと心強く感じました。そこで、この場を借りて、私見を若干敷衍してみたいと思います。

 地域共同体の成功モデルである欧州を見ると、欧州石炭鉄鋼共同体に始まって欧州経済共同体(EC)となり、現在の欧州共同体(EU)になり、そして今なお更に進んだ統合に向けて進化し続けています。アジアの多様性、複雑性から欧州の事例は当てはまらないとの議論を耳にしますが、上記過程は欧州にとっても決して容易な道のりではなかったと思います。二十世紀に入ってからだけでも、欧州の大多数の国が敵味方として戦った二度の大戦があり、またイデオロギー、政治制度を異にする東西ブロックへの長期にわたった分断がありました。不可能と思われるようないくつもの困難を乗り越えることができた背景には、欧州に独自の条件があり、また幸運に恵まれた面もあったかもしれません。けれども限定した目的の下で始まった活動が、次のステップを可能とする条件を生み出してきたことも事実と思います。経済共同体が形成されると、拡大した市場と一層自由な経済活動の恩恵を域内市民が共有することとなり、相互理解と共同体意識が促進され、更なる統合への機運醸成を後押ししたのだと思います。

 アジアは多様、複雑であり、文化や考え方の相違が大きいことは事実ですが、主眼をそこにおくのではなく、まずは手の届くところを目標に行動してみることが重要と考えます。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百家争鳴』から他のe-論壇『百花斉放』または『議論百出』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会