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2006-06-12 12:43

「日米経済共同体」こそ非現実的幻想

今野五郎  会社員
 6月5日付けの四条秀雄氏の「東アジア共同体ではなく日米経済共同体こそ、日本の未来」と題する投稿を興味深く読ませて頂きました。四条氏の投稿略歴を拝見しますと「東アジア共同体」については極めて批判的論者であるように見受けられます。私も「東アジア共同体」については同氏に劣らずかなり懐疑的です。昨今の東アジア共同体建設の積極論者の議論はムード的で、具体的論拠を欠いており、率直に言ってとても同調できません。

 しかし、四条氏の「日米経済共同体こそ、日本の未来」という主張も同様非現実的で賛成する訳にはいきません。「(日米経済共同体の)一番の問題は、(1)財政拡大です。(2)金融政策はすでに世界的に連動してきているのであまり問題にならず、(3)資本自由化や(4)労働力移動の問題も従来の米国の要求の延長線にあり、大きな問題ではないでしょう。(1)の問題にどう対応するか、このガイドラインが為替問題とセットで解決されれば、日米経済共同体は非常に有益で現実性がでてきます」とのご主張ですが、そんな単純な問題でしょうか。「東アジア共同体」反対論者の反対理由の一つは日本が中国に飲み込まれるからということですが、「日米経済共同体」こそは日本が米国に飲み込まれ、その51番目の州になるのが必至の道だと思います。

 従って、私も日米経済関係は今後とも世界の中でも類を見ない緊密な2国間経済関係であり続けるとは考えますが、四条氏の提唱するような「日米経済共同体」の設立は「東アジア共同体」以上に非現実的であり、日本を米国の属国化する主張以外の何物でもないと思います。現在の主権国家同士の関係でも、経済構造改革や米軍再編成等にからむ米国の対日要求は高圧的かつ高飛車です。これが「日米経済共同体」の設立となれば、ワシントンからの対日要求は命令口調となるでしょう。「一番の問題は(1)財政拡大です」などという四条氏の認識はピントがずれており、論外です。
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