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2011-05-21 11:52

西岡参議院議長は、出しゃばってはいけない

若林 洋介  学習塾経営
 議会政治にとって立法府の議長というのは、国会を与野党双方がルールに基づいてフェアーな戦いをする場にするのがその職分である。したがって、議会政治の主役は、与党の党首であり、野党の党首であって、議長ではない。どんなスポーツでも審判員は、高い権威を持つが、ゲームの主役は審判員ではなく、プレイヤーである。審判員が観客から注目されている試合があるとしたなら、試合そのものがブチこわされているに等しい。

 現状の「倒閣運動(菅おろし)」を見ていると、政権奪還を目指しているはずの野党第一党党首の谷垣総裁よりも、参議院議長の西岡議長の発言の方が、マスコミをにぎわしているのは、どういうわけか。また、民主党の党内野党である小沢グループも「菅おろし」を公言しているが、どいうわけか小沢一郎氏の発言は聞こえて来ない。本来ならば、参議院議長である西岡氏からではなく、谷垣氏または小沢氏からこそ国民に対するメッセージが出てきて然るべきであろう。
                                
 倒閣運動(内閣不信任案)が成就するとすれば、野党第一党の自民党・谷垣総裁と民主党反主流派の小沢系グループ間に合意が成立したときであろう。だとすれば、谷垣総裁と小沢氏が、政局のプレイヤーであり、倒閣運動の主役であって、参議院議長が出しゃばるときではない。民主党反主流派の倒閣運動の急先鋒は小沢氏であるにもかかわらず、小沢氏の発言がまったく報じられず、西岡議長があたかも急先鋒であるかのごとき状況を呈しており、それが事態の混乱いっそうの拍車をかけている。西岡議長は、自分が政局のプレイヤーになろうとしているのかもしれないが、それはとんでもない勘違いである。

 かつて国会の場で、与野党乱闘の場面があり、議長は与野党の板ばさみになって、議長席にしがみついているという場面があったが、その議長が野党側に加勢して、一緒に与党議員となぐり合いを始めたようなものである。これでは、だれが議場の秩序を保ち、ゲームの公正さを保つのか。日本の議会政治は、議長不在のまま累卵の危うきに瀕するであろう。                               
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