国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百家争鳴」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2010-11-18 07:35

野党包囲網で柳田法相は、問責可決へ

杉浦 正章  政治評論家
 小泉進次郎はその発言において父親譲りのセンスのよさをみせている。法相・柳田稔の「答弁は二つ覚えておけばいい」という“迷言”に対して、「それなら法相はロボットでいい」とずばり核心を突いた。ロボットでよいような法相は、その職にとどまるべきではないが、参院の機運は、どうも戦後4人目の問責決議可決となりそうな雰囲気となってきた。野党の反民主党包囲網が出来つつあり、可決となれば、みたところまず辞任しか道はあるまい。

 官房長官・仙谷由人は柳田の責任を問われて「資質には問題ない」と述べたが、問題の焦点はその資質にあることが分かっていない。国会で「ビデオを見たか」と問われて、「何のビデオか」と逆質問する愚鈍さは並大抵ではない。とりわけ「二つの答弁」発言は、野党にとって絶好の攻撃対象が浮上したことになる。「『個別の事案については答弁を差し控える』『法と証拠に基づいて適切にやっている』と答弁すればいい」という発言は、委員会で実際に繰り返されている。閣僚の“迷言”の中でも、もっとも野党が一致して攻撃しやすいのは、「国会軽視」発言だ。しかも、これほど質問者をばかにした発言は珍しく、野党の結束を招きやすいのだ。

 自民党政調会長・石破茂は「言語道断。一日も早く職を辞すことが国家のためだ」と、いきり立っている。参院自民党国対委員長・脇雅史は民主党に対して問責決議案上程を通告している。同決議案は公明党が乗るかどうかが焦点だが、代表・山口那津男は「軽率な発言だ。緊張感のなさが政権を覆っている」と前向きだ。自民党は問責可決にかなりの自信を持っている。というのも、先に衆院で否決された仙谷と国交相・馬淵澄夫に対する不信任決議案で、社民党を除く野党が結束できたからだ。倍以上の大差で否決されたが、野党結束の意義は、参院で過半数による可決を視野に入れることが出来るだけに、大きいのだ。過去に問責決議案が可決された例は意外に少ない。防衛庁長官・額賀福志郎、首相・福田康夫と同・麻生太郎の3人だけだ。問責決議は衆院の不信任決議と違って法的拘束力はないが、今回の場合は額賀が辞任したケースと類似性が多く、結局辞任せざるを得まい。というのも、問責決議が可決されれば、野党の審議拒否へとつながり、参院の全委員会がストップするのは必至だからだ。

 混乱のまま12月3日の会期切れに逃げ込もうとしても、通常国会が冒頭から大混乱となり、本予算審議と絡んで政権を直撃する事態になりかねない。柳田のクビは、どうみても、それほどまでにして守らなければならない価値のあるものでもあるまい。したがって、可決されれば、菅は辞任を求めるしか手はないだろう。柳田の進退は窮まっているのであり、問責決議など待たずに、自ら辞任するのが政権にとって最善の策である。このころカラスの鳴かない日はあっても、閣僚が失言・迷言で国会で陳謝しない日はない。連日のように仙谷が陳謝すれば、防衛相・北沢俊美も陳謝。そして柳田の陳謝だ。首相・菅直人が「実務を積み重ねているのに、なぜこんなに支持率が落ちてしまうのか、理解できない」とぼやくのも無理はない。民主党一家が総出で政権基盤を崩しているからだ。自民党が仙谷も含めて数人の問責決議案を出そうとしているのも、珍しい。政権がスタートして半年で末期症状が現れているのだ。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百家争鳴』から他のe-論壇『百花斉放』または『議論百出』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会