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2010-02-17 07:43

国税は鳩山献金疑惑に“けじめ”をつけよ

杉浦 正章  政治評論家
 論語は「その身正しければ、令せずして行わる。その身正しからざれば、令すといえども従わず」(其身正不令而行 其身不正雖令不従)と統治の要諦を説いている。確定申告がスタートしたが“平成の脱税王”の「当然税金を払っていただき、そのことで国民の皆さんのお暮らしを守る政治をつくり上げていく」という発言が、何と虚ろに納税者の耳に響くことか。首相たるもの、脱税疑惑を指摘されたら、使途も含めて説明責任を果たすか、潔く身を退くか、しか選択肢はないのだ。

 この国の国民は、漢代の中国と違って、何と法秩序を順守する国民なのか、とつくづく思う。論語の通りならば、納税しないことになるはずだ。産経新聞の確定申告の現場取材記事によると、税務署に足を運んだ納税者から、「パートで半日働いても3000円にしかならない。税金を少しでも下げてほしい…」と言う声が聞こえたという。3000円の日給でも確定申告する国民なのだ。もちろん「税金を払うのがばかばかしい」という声も聞かれたというが、もっともだ。徴税の最終責任者であり、施政者である鳩山由紀夫が、毎月1500万円(7年間で12億6千万円)の“子ども手当”をもらいながら、それを「存じ上げなかった」で済ませようとする。発覚してから贈与税6億円を払ったが、発覚しなかったら払わなかったはずだ。

 一般市民が首相と同様の「存じ上げなかった」で税務署をパスできるだろうか。とんでもない。鳩山の額だったら、確実に脱税容疑で逮捕、起訴され、禁固2、3年の実刑判決を食らうだろう。この不公平感がモラルハザードを呼ぶことは確実と見る。謹厳実直なこの国の国民にしてである。なぜなら、自己申告は心の動きが左右する側面があるからだ。「首相が12億脱税なら、これくらいはいいか」くらいの微妙な対応が生じうるのだ。ちりも積もれば山となる。国家財政への影響は無視できないだろう。すべては小鳩疑惑の責任である。問題は、国税当局が全く毅然とした対応をとらないことである。首相だから手心を加えているように見える、のは筆者だけだろうか。鳩山に対して重加算税の話も出てこないし、検察への告発もするようにはみえない。

 ここは国家的な“けじめ”が必要にもかかわらず動こうとしない。政治主導のこわもて民主党に恐れをなしているのだろうか。国税に限らず財務、外務、防衛などの官僚に毅然として職責を果たす骨っぽさが見えないのは、それこそ官僚亡国ということになる。“平成の秘書起訴王”小沢一郎の方も、根底には脱税意識の不動産購入疑惑がある。家族間の資金移転も脱税の可能性がある。加えて今度は、日教組から違法にカネを受け取った疑惑の表面化だ。その民主党衆院議員・小林千代美が最初に吐いた言葉が、鳩山のコピーだった。「存じ上げていない」である。もう有権者は「いい加減にしろ」というところに来ている。「水は則ち舟を載せ、水は則ち舟を覆す」(荀子)。大衆によって支持され、このままなら大衆によって滅びる。
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