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2026-10-10 00:00
日本はずっとアメリカの「属国」であり続けたのに今頃になって何を言っているのかという記事が出た
古村 治彦
愛知大学国際問題研究所客員研究員
イギリスの経済紙(日本経済新聞が買収)『フィナンシャル・タイムズ』紙に、2026年9月24日付で、「トランプが高市に新たな罠を仕掛ける(Trump lays a new trap for Takaichi)-ミドルパワー国家(middle powers)にとって属国(a vassal state)と化す恐れが現実味を帯びている」というタイトルの記事が掲載された。著者のレオ・ルイス記者は、東京支局長を務めている。「罠」「属国」という刺激的な言葉が使われている。
ルイスの記事の内容を簡単にまとめると以下のようになる。2026年9月に国連総会出席のために訪れたニューヨークで高市早苗首相はドナルド・トランプ大統領と会談を行った。その際には、国際刑事裁判所(ICC)に対する姿勢でトランプ大統領と高市首相の考えの違いが明らかになった。日本人の赤根智子氏がICC所長を務めている。トランプ大統領はICCを批判し、解体を求めている。一方で、高市主張はICCの存続を支持している。ここで意見が異なるになった。ルイスはここに「主権の罠」があると主張している。
日本とアメリカの関係は非対称であるとルイスは主張している。日本は経済面や安全保障面でアメリカに依存している。アメリカがいなければ立ち行かないということになっている。一方で、アメリカ、特にトランプ政権になり、「アイソレイショニズム」によって、「他国を助ける義務も義理もない」ということになっている。ここで、ICCを例に取ると、ICC支持を貫くと、トランプの不興を買い、アメリカとの関係にひびが入る可能性がある。一方で、ICC不支持に回ると、日本の独立した主権を放棄するということになり、中国が主張している「日本はアメリカの属国でしかない」と主張が正しいということになってしまう。これがルイスの述べている「主権の罠」の構造である。このようなこちらを立てるとあちらが立たないという、二律背反的なことは国際関係ではよくあることで、諸外国、特にアメリカの同盟諸国のミドルパワー国家(カナダなど)は苦しんできたとルイスは指摘している。最後に、各国は日本がどのようにこの罠を避けるかを注目しているとルイスは書いている。
日本はアメリカの属国である。他国はまだ対等に近い関係であるが、日本は第二次世界大戦の敗戦国として、アメリカの占領と支配を受け入れて、その後は独立した形になっているが、実質的には属国である。日本政治や経済を見てきた人々ならば、日本人であろうが、アメリカ人であろうが、建前の覆いを外し、本音で語れば、「日本はアメリカの属国だ」と認めるだろう。ICCについて、ルイス記者が指摘していることはまっとうなことであるが、「今頃になって言われてもね、1945年からずっとそうなんですよ」と言いたくなる。日米関係が対等だったことはなく、不平等であったことは沖縄のアメリカ軍基地に関わる問題を見ても明らかだ。私たちにとって大事なことは「日本はアメリカの属国である」ということを事実として認め、直視することだ。そこを出発点として、日米関係に対処し、改善を求めていくということになっていく。
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