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2026-08-31 00:00
(連載1)焦っているのはプーチン氏か、トランプ氏か?
岡本 裕明
海外事業経営者
ロシア情勢を占ううえでこの数週間の間に2つの解せないことがありました。1つはプーチン氏が択捉島を訪問したこと、もう1つがアメリカCIAのラトクリフ長官がモスクワを訪れ、対外情報庁(SVR)のセルゲイ ナルイシキン長官と極秘会談をしたとされる件です。択捉島訪問について、私は別のところで「中国に歩調を合わせて、日本苛めを演出したのだろう」と述べています。またプーチン氏は以前から北方領土には行ってみたいと発言していたので夏の今の時期を選んだのだと察しています。深く考えればもっと想像力たくましく述べることもできますが、ロシアが第二次大戦で苦しんだ東西二方面作戦の苦渋をあえて今、選ぶ理由はないでしょう。
但し、戦争とは武器や兵士によるドンパチだけを戦争とは言わず、高度化した戦術の中には経済や金融制裁、インフラ破壊、情報操作、チョークポイントの攻撃など様々な方法を通じて相手方を苦しめることが可能になっています。私はこれが今回の鍵ではないかと思うのです。つまりプーチン氏は東部ロシアにも「俺の目は節穴ではない。あらゆるところに目配せしている」という意思表示をして警告したように見えるのです。
それを踏まえてCIAのラトクリフ長官がナルイシキンFSV長官と会合した意味を考えてみると案外、その意味が見えてくる気がします。ラトクリフ氏はプーチン氏との面談を求めていたのかどうかはわかりません。ただ、ナルイシキン氏はプーチン氏の側近の1人であり、かつて大統領府長官であり、政権を長く支えてきた堅実な役人であります。つまりあまり破天荒なことにはならないわけでラトクリフ氏とは実務的な会談だったと想像しています。
ではテーマは何か、ですが、これは最近漏れてきているその報告書からは主題はウクライナ情勢のようですが、もう1つは最近水面下で懸念され始めているバルト三国へのちょっかいの可能性を何らかの形で抑止させることではないかとみています。(報告書には全部が書かれているわけではなく、都合の良い一方的な意見となっているように見えます。)ロシアのウクライナとの闘いは既に4年半となり、膠着状態が続きます。ウクライナ東部戦線はまるで203高地の戦いの逆バージョンのような戦いが展開されています。ドネツク州のスラヴャンスク地方に要塞ベルトと称するエリアがあり、ウクライナ軍が死守するもロシアが時間をかけてじりじり追い込む展開になっています。なぜここが重要か、といえばここを抜けるとその後背地にウクライナの重要な工業地帯が広がっているためで、この攻防戦になっているのです。(つづく)
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