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2026-07-12 00:00
ドナルド・トランプ大統領は素直に誤りを認めたら支持が回復するかもしれない
古村 治彦
愛知大学国際問題研究所客員研究員
政治家とは自身の間違い、誤りを認められない人たちだ。日本の政治家たちを見てもそうだし、世界中でそうだろうと思われる。人間がそもそも間違いや誤りを認めることに苦痛を感じることが多いので、それは政治家だけの特性ではないかもしれない。人間である以上、誰でも間違う。完璧な人間はいない。「弘法も筆の誤り」という言葉がある。英語では、「Even Homer sometimes nods.」と言う。古代ギリシアの偉大な詩人ホメロスもうっかりミスをしてしまうという意味だ。
しかし、政治家の場合、特に民主政治体制国家の政治家の場合、間違いを認めてしまうと、次の選挙で投票してもらえず、落選してしまうかもしれないという危険性を感じると、頑強に間違いを認めないということになる。それもまた仕方がないことではある。「無誤謬性(infallibility)」に対する過剰な期待と評価を政治家も国民もしてしまうということはある。
そうした中で、ドナルド・トランプ大統領は特殊な立ち位置の人である。彼は職業政治家ではない。今でもアマチュアのにおいを残している。主張をころころと変えるし、誇張表現は当たり前、嘘もつくということで、これまでの政治家像とは大きくかけ離れた人物である。彼の間違いを数え上げればきりがない。大統領としての伝記が出れば、そこにはありとあらゆる間違いが記載されるだろう。後世の歴史家、後世の人々は「どうしてこんな人が大統領に選ばれたのか」と首をかしげることになるだろう。
しかし、こうした人物であるがゆえに、型破りであるがゆえに、「間違いを認めて素直に謝る」ということができ、それで支持が落ちるどころか、支持が上昇する可能性がある。イラン戦争の決定に関して彼は決して謝ることはないだろう。正しかったと強弁するだろう。しかし、方針を大転換して、間違いを認めて謝るということがあったらどうだろう。国民は怒り、トランプに対する非難は大きくなるだろう。しかし、同時にその素直さに関しては、一定の評価はあるだろう。今のままではトランプ大統領の支持率の回復は難しい。支持率の平均は40%を切り、不支持率の平均は60%を超えるというところまで来ている。イラン戦争に対する支持率も同様の数字だ。ここで、トランプ大統領が謝罪すれば中間選挙の結果も少しは変わるだろう。しかし、それがどれほど難しいかということも私たちは分かっている。そもそも論で「戦争など始めなければ良かったのだ」ということは全くその通りなのだが。
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