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2025-11-10 00:00
トランプ・ドルについて
真田 幸光
大学教員
国際金融の世界に生きて強く思うことは、「基軸通貨の大切さ、強さ」であります。決済通貨としての、モノやサービスの経済的価値判断基準としての基軸通貨は、「世界標準」ともなり、また、決済通貨となることによって、「モノやサービスのみならず人の動きなどもその決済の様子を通じて、モニタリング、否、監視が出来る、情報収集が出来る。」と言う点から、「情報を制する者が世界を制する。」と言われている現代に於いては、「基軸通貨を巡る覇権争い」が起こっていても不思議の無い状態であります。
こうした中、SNSの世界などでは、しばしば、「トランプ・ドル」なる言葉を見るようになっています。米国自身が現行の米ドルではなく、米国国債本位制とも言えるステーブル・コインを新たに発行して、「そのテーブル・コインを電子マネー化して新たな基軸通貨に育て上げ、デジタル人民元に対抗していく。」と言う動きを示しているのではないかとの声を背景とした見方であります。そして、その考え方の下、トランプ大統領は現行の米ドルの若干の弱体化は容認するかもしれません。
こうした中、「米ドルの地位は2015年に頂点至った後、その地位は低下している。この流れを元に戻すことはすでに難しく、トランプ大統領の大統領再就任はその速度を更に急激に上げていくだろう。」とケネス・ロゴフハーバード大学国際経済学教授は述べています。これによって、政治家、更に多くの経済学者も長く続くと楽観している、低金利・負債依存の拡大が限界に達する可能性があるとも警告しています。国際通貨基金(IMF)首席エコノミストを務めたマクロ経済・国際金融学者のロゴフ教授は2008年、米国発グローバル金融危機発生前から米国金融システムの脆弱性と住宅価格のバブル崩壊の可能性を何度も警告した学者でも有名な神撫づであり説得力があります。
そして、「目の前に蓄積されているリスクにも、私たちだけは大丈夫という慢心に酔ってミスを繰り返して経済危機に生まれ変わる。」とも語っています。 はてさて、基軸通貨・米ドルの崩壊前に、デジタル人民元の拡大前に、「トランプ・ドル」は世界の新たな基軸通貨となっていくのでありましょうか?注目したいと思います。
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