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2011-11-29 00:00
(連載)米国衰退論は時期尚早(1)
岡崎研究所
シンクタンク
Project Syndicate10月6日付で、Joseph Nyeハーバード大学教授が、米国衰亡論が盛んになってきたが、米国の絶対的衰退という悲観的予測は間違っている、と言っています。
すなわち、ピュー社調査によると、調査対象22カ国の内、15カ国で過半数が、「中国が世界一の大国になる、あるいは既になった」と考えており、米国の世論も半分がそう思っている、確かに、中国は人口が多いので、今の成長率でいけば、10年以内にGDPで米国を追い抜くだろう。しかし、米国は、①軍事力やソフトパワーで中国をしのぐ、②日本、インド等が中国にバランスさせようと米国のプレゼンスを求めるので、中国よりも地政学的立場は有利、③先端技術、イノベーションを育む社会である。つまり、1995~2005年の技術的ベンチャー・ビジネスの25%は移民が興したように、米国は世界中の人間を創造的に活用できる、④政府債務、弱体な中等教育、政治的行き詰まりなど、いくつもの深刻な問題はあるが、これらは長期的には解決可能なものだ、従って、今世紀前半に中国が総合的パワーで米国を追い越すことはないだろう。「米国以外の国々の台頭」によって、米国はかつてほど優位ではなくなるが、だからと言って中国が米国に取って代わって世界第一の大国になるわけではない、と言っています。
ある国を見る場合、経済や社会の表層ではなく、その構造がどこまで自律的・持続的発展を可能とするものになっているかを見ることが重要です。その意味で、論説も言うように、中国社会がイノベーションを支えるものになっているかどうかは非常に重要なポイントです。
西暦1000年頃の中国宋王朝は、経済、技術で西欧の600年先を行っていましたが、産業革命は起きませんでした。市場の飽和もありますが、科挙に合格して公職に就いたエリートが富と地位を独占しようとしたことが大きな要因だったと思われます。(つづく)
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