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2010-09-19 00:00
これが国家というものだ
花岡 信昭
拓殖大学大学院教授
中国漁船の日本領海侵犯事件で、中国政府は日本大使を4回も呼び出し、それも真夜中に呼ぶという非礼なことまでやった。なんとも異常に見えるが、実はこれが国家というものだ。日本側のほうがあまりに上品すぎる。こっちもすかさず、真夜中に中国大使を呼びだして、厳重抗議すべきだった。尖閣諸島について、日本側の基本方針は「日本固有の領土。したがって尖閣をめぐる領土問題は存在しない」というものだ。
中国側は「こっちの領土だ」といっている。「自分のところの領土なのだから領海侵犯などではない、だから日本の態度は不法」という、きわめて分かりやすい論法だ。外交というのは、田久保忠衛先生がいつも強調するように、「片手にこん棒をもってやる」ものである。
国の主権と国益を踏まえ、その立場をぎりぎりまで主張し続けなければならない。日本側とすれば、当然ながら、国内法で処置することになる。だから、漁船と船員を早く帰しすぎた。もっと引きとめておいて、向こう側が折れてくるのを待つべきだった。
民主党代表選があるものだから、中国側の軟化を引き出そうとしたのだろうが、こちらが一歩引き下がれば、向こうはより強硬になる。これが外交だ。田中真紀子氏が外相時代、「金正男」が日本に遊びに来ていてつかまった事件を思い出す。田中氏は「早く帰しちゃいなさい」と指示した。そこで、ご丁寧に送り返したのだが、ここは「小菅」にお送りして、日本の国内法できっちりと時間をかけて対処すべきだった。ぎりぎりまで突っ張って、相手の弱みをつき、譲歩を引き出す。チキンゲームを演じられないようでは、国家の名が泣く。
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