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2018-12-08 10:07

(連載2)カナダの南京事件記念日制定案件について

岡本 裕明  海外事業経営者
 3年前の慰安婦像案件の時は日系社会のみならず、日本やトロントなど各地からの応援もあったし当時同様問題を抱えていたオーストラリアとやり取りをするなどかなり幅広い情報収集と活動を展開していました。それに対し、今回は極めて限られた人数の期成同盟メンバーで的を絞り込んだ作業を行うと同時にキーになるところとの連携を強め、各方面での比較的隠密な活動も展開、その動きは割とわからなかったと思います。

 カナダでのこの動きは日本でも一部の方には知られており、なぜカナダで今更南京事件記念日なのか、と議論が沸き起こり、私も西岡力先生らの研究会で現状報告などもしておりました。また、日本の一部の国会議員にも本件を重視し応援してくださる先生方もいて私も直接ご報告を差し上げてきた経緯があります。

 慰安婦像の時に比べ日本国内での盛り上がりが欠けたのは事実です。日韓と日中の温度差もあるでしょうし、南京事件そのものが分かりにくいこともあります。(いまだに確定した真実は解明されておらず、今後もそれは不可能だと考えています。)もう一つはこういう問題に食い下がる産経新聞のトーンが完全に変わってしまったこともあります。同社は社長交代後、現社長が興味を持たないせいか、「歴史戦」に極めて淡泊になり、その類の報道が大きく減少し、取材能力も落ちていたと思っています。

 最後に今回の一連の流れについて思うところを記したいと思います。一つはカナダで本件がうまく推移してきた理由は歴史戦をあえて外したことがあるかもしれません。クワン、ワット議員は乗松聡子氏に主導、扇動される形で事実が不鮮明なこの事件を自己都合解釈に基づく「左派の歴史戦」として堂々と繰り広げたのと好対照でありました。たぶんですが、クワン議員は南京事件についてほとんど乗松氏等の受け売り以上の知識は発言内容からしてないとみています。では同議員もそれほど愚かではないはずなのなぜこんなことをしたのか、と言えば10中8,9、中国本土とのパイプ関係だったとみています。彼女は中国版フリーメイソンである洪門民治党のメンバーであり、本土と華僑をポリティカルに結び付ける役割を担っていたはずです。が、10月ごろからそのトーンが完全に変わりました。理由は多分ですが、もっと上の世界からの指示ではなかったか、とみています。今回の一連の流れは非常に重く、長く、疲れる作業でしたがとりあえず、一息つけそうです。(おわり)
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(連載1)カナダの南京事件記念日制定案件について 岡本 裕明  2018-12-07 23:33
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(連載2)カナダの南京事件記念日制定案件について  岡本 裕明  2018-12-08 10:07
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